ドイツの子供たちにはクリスマスよりも楽しみなのが12月6日、聖ニコラオスの日。聖ニコラオスに関するイベントも各地で行われます。
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小さな子連れの家族に大人気のニコラオスファールトとは?
クリスマス前の4週間、アドベントの期間中は様々なイベントが目白押しですが、小さなお子さんのいる家庭に特におすすめしたいのが「ニコラオス・ファールト」。各地で催され、この時期にだけ、聖ニコラオスと楽しめるという特別さから、どこも大変な人気です。
聖ニコラウスをご存知でしょうか?
サンタクロースのもとになった聖人です。もとのお話についてはこの記事の最後に書きますね。
ドイツでは12月6日が「聖ニコラウスの日」で、子どもたちにプレゼントすることが習わしになっており、教会はじめさまざまなところでニコラウスのイヴェントが開かれます。前夜に靴を窓辺に置いておくと、夜のうちにニコラウスがプレゼントを入れておく!というお話はよく知られていますね。
その中でも、蒸気機関車に乗って聖ニコラオスに会える、プレゼントももらえるという「ニコラオスファールト」は小さなお子さんのいる家庭には大人気です。
ニコラオスファールトに行ってきたよ
我が家も昔々、いつもとっても親切にしてくれるお二階さんが招待してくれてニコラオスファールトに行きました。今では懐かしい、素敵な思い出です。当日はなんと雪、しかもかなり本格的に降ってムード満点!お二階さんの車に乗せてもらって向かった先はデュッセルドルフの南西、メンヒェングラートバッハとアーヘンの中間に位置するGeilenkirchen(ガイレンキルヒェン)。
ここには珍しい蒸気機関車のミュージアムがあります。たくさんの種類の蒸気機関車が運行し、さまざまな催しが行われますが、なんといっても一番人気は「ニコラオス・ファールト」。しかも演出が素敵なのです。
さて、駅に着くとたくさんの人でにぎわっていて、大人はグリューワイン(ホットワイン)、子供ははしゃぎ回ってました。みな嬉しくてたまらないという様子です。その様子がなんとも言えずいい景色です。やがて向こうから煙をあげ、汽笛を鳴らして汽車が入ってきます。みんな写真やビデオ撮りまくり。これはたまりませんね。
席は自由なので、めいめい乗り込みます。社内は木製の座席であたたかい雰囲気、グリューワインや紅茶、ケーキが出ました。発車して少しすると後ろの車両からブラス隊がやってきてニコラオスやクリスマスの曲を演奏していきます。みんなで口ずさんで、最高です。
しばらく走ったところでゆっくりと機関車が止まりました。車内のみんなが窓の外に目を向けています。すると、鈴の音が遠くから聞こえてきました。遠くから雪の中を2頭立ての馬車がこちらに近づいてきます。馬車には聖ニコラオスが乗っています。子供たちは「ニコラオスだ!」と大喜び。車両からデッキに出て見に行く家族もいます。
ニコラオスの乗った馬車は汽車を追い越して一番前の車両のところで停車しました。ニコラオスは機関車に乗りこみ、子供たちにプレゼントをあげながら一人一人に声をかけてお話します。
やがて機関車が終点の駅に着くとみな降りて歩いていきます。人の流れについて行くと大きなテントがありました。そこでしばし飲んだり食べたりしながら子供たちは遊んでいると、ニコラオスが再び登場。
子供たちはニコラオスに挨拶に行き、今度はニコラオスにプレゼントのお礼を返します。
「お名前は?」
「何をしてくれるのかな?」
子供たちはニコラオスの前に並んで待っていて、一人ずつ順番に前に出てお話します。そして「もみの木」や「Lasst uns froh und munter sein(聖ニコラオスの歌)」を歌うと「ありがとう!」とニコラオスからまたプレゼントをもらっていました。
こんな感じで。
チケット購入
購入方法
アクセス
(デュッセルドルフから南西へ約70km、車で50分ほど)
Bergstrasse 1, 52511 Geilenkirchen
ニコラオスファールトが開催される頃にはクリスマス市はすでに始まっており、ドイツで早く来るサンタさん=聖ニコラオスの登場は、子どもたちにとってクリスマスへ向かう季節感を味わうことのできる楽しい催しです。
きっとドイツ生活の中で、というよりもご家族の楽しい思い出となる日になることでしょう。
Geilenkirchen周辺の観光
ニコラオスファールトの前後に周辺で観光を楽しむのもいいと思います。
残念ながらサイトが閉鎖してしまってこの地図だけが残っています。
その他
https://www.triphobo.com/places/geilenkirchen-north-rhine-westphalia-germany/things-to-do
https://www.geilenkirchen.de/kultur-freizeit-sport/sehenswuerdigkeiten/
聖ニコラオスの物語
サンタクロースのモデルとなった聖ニコラオスをご存知ですか?
聖ニコラウスは西暦271(または280)年から、342(350年頃)年12月6日まで 生きたとされ、六世紀に聖人に列せられた後、 12月6日が聖二クラウスの祭日となりました。
聖ニコラオスについてはさまざまな伝承が残っていますが、その中からサンタクロースの元になったお話をご紹介します。
ニコラオスがまだ司教になる前のこと、近所に3人の娘がいる貧しい家庭がありました。
娘は結婚するための資金がないばかりか、娼婦にさせられてしまうという状況に追い込まれていました。
これを知ったニコラオスは夜、そーっと屋根に上り、煙突の中に金貨を投げ入れました。
金貨は暖炉に干してあった靴下の中にスポッと入り、翌朝娘がそれを見つけて
「神様からの贈り物だわ!私は売られなくて済むのね!」と涙を流して喜びました。
2人目の娘の時も同じことが起こります。
両親は、もしかしたら誰か親切な人が夜中に金貨を投げ入れてくれているのではないかと考えました。
2人の娘の恩人に何としても一目お会いしてお礼が言いたいと願っていた両親は
3人目の娘のときにはずっと外で恩人が現れるのを待っていました。
金貨を持って現れたのは隣人のニコラオスでした。2人は何度も何度もお礼を言い、
ニコラオスは決してこのことを他言しないようにと逆に2人に懇願しました。