漢字であそぶ! 漢字の寺子屋体験会を見学しました。

漢字の寺子屋体験会を見学

先日3月17日にコミュニティWatashiでおこなわれた漢字の寺子屋体験会、とっても素晴らしかったのでもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、ここに書いてます。

 

 

「みんな、今、何月か知ってるかな?」

「三月!」(即答)

(おぉ、すごい)(私)

「そうだね、三月だね。」

 

子どもに親しみのあることから

 

ごく身近な日常の会話で、子どもたちも知っていることは言いたくて仕方ないから会話がはずみます。それが自然に漢字につながっていきます。

先生が  をホワイトボードにはると、もう三を書きたくなっちゃいます。

女の子が手をあげてホワイトボードにきれいに三を書いてくれました。

「えー、すごい~!」

「じゃあ、指で1つくってみようか?」

子どもたちは普通に指を1本立てます。

「そうだね、1だね。じゃあ、それをこうして横にしてみよっか?」

先生と一緒に体を使ってまねっこして。

一、二、三。

今度は山と川を書くと読める子は嬉しそうに読みます。

もちろん、まだ読めない子もいて「読めな~い」と言うけれどももう覚えちゃった。

遊びのバリエーション

山の絵や川の絵と重ね合わせてみたあとは、カプラの登場。

渡したらすぐにカプラで川をつくった子がいました。いいですね~、

カプラ

遊んでますね~

 

でも、すぐには漢字にいきません。先生のつくる形のまねっこ遊びから。

先生はどんどん形を変えていきます。すぐに反応する子どもたち。もうのめり込んでます。

(しかし反応いいなあ、すごいなあ)と感心してしまいます。

 

「じゃあ、今度は、『山』、つくれるかな?」

という感じで遊んでいきます。

今度は先生、ホワイトボードに顔の絵を描きました。手足も。でも、目と口がありません。

先生は「目」「口」「手」「足」の絵を描き、それがだんだんと漢字に進化しました。

素敵なアイデア。
体を使うのもよいところ

先生自身が楽しむ

 

子どもを飽きさせずに丁寧で決して急いでいる感じはないのにテンポよく進んであっという間でした。

その中で子どもが楽しめるような工夫が盛りだくさん、引き出しが豊富で、今回はそのごくほんの一部だけを垣間見させていただいた感じです。

そして何より先生自身が楽しんで喜んでされているのが伝わってきました。

今から次が楽しみです。

 

漢字の寺子屋って?

 

漢字の寺子屋は幼稚園生対象に2年生くらいまでの漢字の読みを遊びながら覚えてしまうというものです。あまり学年配当にとらわれないのでもっと難しい漢字も難なく覚えてしまいます。ただし、書き取りはしません。

 

まだ学校に入る前の子どもたちには早すぎるのでは?と思われるかもしれませんが、右脳が発達している幼児期は、漢字を絵のようにとらえて、語彙力とともにしっかり覚えていくことができます。4~6歳のクラスの他に、小学校低学年までのクラスもあります。

漢字の寺子屋ホームページより

絵本、パズル、かるた、工作などなど、とにかくお勉強ではなく遊び。創意工夫にあふれた遊びのバリエーションがどんどん豊かになっていくので先生も子どももこれは楽しいはずです。

まずは「読める子」に。そして「書きたい意欲」を育てます。「読めない子」はどんなに練習しても「書ける子」になりません。手先の発達には個人差がありますから、漢字の寺子屋では書く練習をしません。それよりも、日常語の漢字がどんどん読めるようになることに重点を置いています。身の回りにあふれる漢字に興味が持てるようになれば、「知りたい意欲」が芽吹きます。

漢字の寺子屋ホームページより

これ、ホントそうだと思います。意欲を育ったらそれは最高の成果。

 

遊びの工夫

改造かるた

例えばかるた。かるたの絵札はひらがな一文字が描かれているのが普通ですが、そこを漢字にしてしまいます。専用のかるたではなく手持ちのかるたに工夫を加えるだけ。

「猫」とか「鬼」とか何年生の配当か知りませんが、遊びの中で「鬼に金棒」とか「猫に小判」とかのことわざと一緒に漢字もすんなり覚えてしまいますね。

また、楽しみやすいようにルールも変えます。あらゆるところに創意工夫がされていて感心するばかりです。

辞書引き

これがまた面白くて、発想が普通の逆をいきます。

普通の辞書の使い方は、「わからないものを調べる」

カンテラ(漢字の寺子屋の愛称)の辞書引きは「知ってるものを見つける」

 

これ、子どもの性質をうまーく利用しています。

 

ほとんどの子は、知ってること、わかること、できることは大好きでどんどんやりたがります。だから辞書を適当にパッと開いて、知らない言葉を覚えるのはつまらないけど、知ってる言葉を見つけるのは大好き。印をつけて、ふせんにその言葉を書いて貼ります。

ふせんにはあらかじめ通し番号をふっておくので、自分が何個知ってる言葉を見つけた!というのがその場でわかるので嬉しさアップ。

この辞書引きを提唱しているのが深谷圭助先生(中部大学現代教育学部教授 )。

http://www.jishobiki.jp/about/

これも家庭で遊びとして取り組めれば楽しいですね。

 

そして、あえてやりすぎないように「おあずけ」する。ご褒美に「何個までならしてもいいよ。」「もっとやりたい」という気持ちを残しておくのはとても大切ですね。

 

参加のしやすさと効率のよさ

月に1回だけというのも参加しやすくてよいところ。習い事ではなく、「やった-!、今日は先生のところに遊びに行ける!」という感じ。

月1回遊ぶだけで、1年で100個以上の漢字を覚えてしまうと聞くとびっくりしますが、1回に10個も読めるようになれば1年で120個、確かに余裕でいけますね。遊びなので前にやった漢字もかるたになったり魚釣り遊びになったりと色々なバリエーションで何度も出てきます。

とにかく子どもが喜ぶ、楽しむような工夫に満ち溢れていて私自身、大いに楽しませてもらいながらも非常に勉強になりました。

これはもっともっとたくさんの人に知ってもらいたいし、実際に参加してもらいたいと嬉しく思った1日でした。須田先生、ありがとうございました!

デュッセルドルフでの漢字の寺子屋教室紹介ページはこちら

デュセルドルフ教室

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または
須田先生連絡先
kantera.ddf(at)gmail.com

漢字の寺子屋についてはこちら。
漢字の寺子屋ホームページ

 

山片重信

投稿者: ASOBO!